予算委員会第八分科会(2016年02月25日)

大阪湾岸道路の西伸部の延伸・神戸空港における国際航空ネットワークの展開・JR常磐線の全線復旧開通などについて質問しました。

大阪湾岸道路の西伸部の延伸について



赤羽分科員 公明党の赤羽一嘉でございます。
 石井大臣初め政務三役の皆様、そして役所の皆様には、けさ八時から長時間、大変お疲れさまでございます。私、ラスト三番目になりましたので、ぜひ最後までよろしくお願いします。
 まず、私は、最初に、大阪湾岸道路の西伸部の延伸問題についてお願いをしたいと思います。
 この件につきましては、兵庫県知事そして神戸市長とともに何度も大臣のもとに足を運んでおりますので、よく御承知をいただいているものと承知をしております。
 大阪湾岸道路は、神戸淡路鳴門自動車道の垂水ジャンクションから関西国際空港のりんくうジャンクションまでを結ぶ実に八十キロの自動車専用道路でございます。その西の端、神戸の六甲アイランド北ランプから長田区駒ケ林南町までの十四・五キロ、ここがミッシングリンクになっているということでございます。この部分については平成二十一年に計画決定済みでありまして、昨年初めて調査費一億円を計上していただいたところでございます。
 ミッシングリンクの解消は、きょうの委員会でも朝から何名もの委員から御指摘がありました。首都圏で特に、ミッシングリンクの解消によって、渋滞緩和を初めとしてさまざまな効果が劇的に出ているという御報告もされているところでございます。
 この地域は、国道四十三号線そして阪神高速神戸線で慢性的な渋滞がありまして、ここがつながれば渋滞緩和は必ず実現する。二つ目は、阪神港また神戸空港等々の機能強化が期待をされる。三つ目は、阪神・淡路大震災のときに大変教訓となりました、いざというときのライフラインの確保に資する。そして四つ目は、国道四十三号線、先ほど、おおさか維新の井上議員からも指摘がありましたが、環境問題の大変厳しい地域でございますが、国道四十三号線の沿道部分の環境の改善に資するということでございます。
 加えて、兵庫県というのは、実は北から南まで一つの県で仕切っていまして、兵庫を通らないと、西日本各地は大阪より以東に行けないという状況でございます。このミッシングリンクの解消は、実は地元の兵庫県だけではなくて、西日本全体の物流の活性化、地方の創生に資するもの、私はそうかたく信じておるところでございます。
 長年ずっと計画はあったんですけれども、大変な事業費がかかるということで、私もおつき合いをしながら、なかなか地元の自治体として経済的な負担ということに腰が引けているような状況が続いておりましたが、今本当にここでやらなければいけない、地方創生のためにしっかりと地元負担も腹をくくってやろうということで、本気度が伝わってくることでございます。
 こうした状況の中で、ぜひ国が主体となって、できれば今年度の当初予算でこの新規事業に着手していただくことを強く希望したい、こう思っております。もちろん、予算もまだ通過をしておりませんし、箇所づけは今後ということで、はっきりしたことは言えないかもしれませんが、できるだけ可能性をにじませる積極的な御答弁を大臣からいただきたいと思います。

石井国務大臣 大阪湾岸道路西伸部につきましては、地元自治体から再三、早期整備の要望をいただいているところであります。人口や産業が集積する大阪—神戸間の沿岸部を強化する重要な路線であると認識をしております。
 当該路線の整備により、交通集中により全国有数の渋滞が生じている阪神高速三号神戸線や国道四十三号の渋滞緩和や、騒音などの沿道環境の改善に大きな効果が期待をされます。
 現在、全線にわたり都市計画決定が完了しているところでありますが、特に六甲アイランド北—駒栄間の事業化に向けて、橋梁などの大規模な構造となることも踏まえたコスト縮減や整備手法などの検討を進めるなど、必要性を取りまとめてまいりたいと存じます。

神戸空港における国際航空ネットワークの展開について



赤羽分科員 繰り返し言うまでもないんですが、この件につきましては、関係の国会議員のみならず、兵庫県議会また神戸市議会で大規模な議員の議連ができておりまして、また経済界もあわせての強烈な要望でございますので、ぜひ実現の労をとっていただきたいと強く重ねてお願い申し上げます。
 続きまして、同じ地方創生の観点から、神戸空港における国際航空ネットワークの展開を強く求める声、要望についてお願いがございます。
 これはもう釈迦に説法でありますが、外国航空機が航行できる空港は国交大臣の指定する空港ということが航空法百二十六条に書かれております。この前資料をいただきまして、現在、全国の地方都市を含めて三十空港が国際航空のネットワークの展開ができるということになっております。
 その中に、神戸空港とまた大阪の伊丹空港がいずれも指定をされておりません。
 これは、いわゆる関西三空港問題ということで、平成十七年に関西三空港懇談会の地元合意がございました。この三空港の役割を明確にしろということでございまして、当時は、なかなか経済も厳しくて、今のような関空の状況とは全然違う話でございまして、何とか関西国際空港を西日本で守り立てていかなければいけないということで、このときの合意では、関西国際空港は西日本を中心とする国際拠点空港だ、関西圏の国内線の基幹空港は伊丹空港だ、そして、神戸空港は地方空港だということで、運用時間は十五時間、そして一日の発着回数は六十回、年間の発着回数は二万回程度が上限となる、こういった合意に、ある意味では縛られているというか、その合意のままに来ているというところでございます。
 しかしながら、昨今の関西国際空港の状況は、もう劇的に変化をしております。特にアジア圏からのインバウンドの急増はほとんど関西空港に吸収されておりまして、実は、関西空港における外国人の入国者数、二〇一四年は前年比一三六%の三百十七万人、二〇一五年はその前年比でいくと一五八%、五百一万人と急増中でございまして、今後もそうしたことが大変期待をされているところでございます。入国審査に待ち時間が最大八十六分にもなったという調査の報告もあるぐらい活況を示しておるわけでございます。
 加えて、コンセッションが行われた結果、ことしの四月から、関西国際空港と大阪、伊丹空港は、民間での運営が開始されるわけでございまして、関西三空港を取り巻く状況は、平成十七年ころと比べて劇的に変化があるのではないか。
 そういう意味で、まず、神戸空港も、ぜひこの指定を受けられるようにしてほしい。そのために何をやらなければいけないかということをまず局長から御答弁いただくとともに、もう一つは、観光政策、私も党の観光立国推進本部の本部長をさせていただいておりますが、関西国際空港に来ていただいて入国で一時間半も待たせているというのは大変ゆゆしき事態だと思っております。
 国交省も、二〇一七年の一月末に供用開始予定の、新しいLCC専用ターミナルでのCIQ施設の整備ですとか、入国審査ブースも大幅に増設をするということも予定されている、こう聞いておりますが、できるだけ前倒しにして、この観光政策、大変大事な政策でございますので、その点も含めて、航空局長から御答弁いただきたいと思います。

佐藤政府参考人 それではまず、神戸空港につきまして御説明させていただきます。
 委員御指摘のとおり、神戸空港を含む関西三空港につきましては、関経連の会長、大阪府知事、大阪市長、兵庫県知事、神戸市長といった地元関係者による長い協議の結果、役割分担や運用のあり方について、平成十七年に合意形成に至り、その地元合意に従って運用されているところであります。
 この地元合意の中で、国際線は関西国際空港に限定することが適当であるとされた結果、御指摘のとおり、神戸空港や伊丹空港から外国航空機は発着できないということになっております。
 国土交通省といたしましては、こうした関西三空港の運用を変更するには地元による新たな合意が必要であり、まずは地元において、三空港の役割分担や運用のあり方について議論していただきたいというふうに考えてございます。
 次に、関西国際空港におけますCIQ施設の整備につきまして御説明を差し上げたいと存じます。
 御指摘のように、関西国際空港は、訪日外国人旅客数の増加率が非常に高く、国土交通省としても、CIQ施設の充実に取り組んでおります。このため、特に混雑の激しい第一ターミナルにつきまして、入国審査ブースの増設を前倒ししているところであります。最終的には、平成二十八年度末までに審査ブースを、当初の倍に当たります八十ブースまで増設する予定でございます。
 国土交通省といたしましては、入国管理業務を担っております法務省等と緊密に連携しながら、引き続き、訪日外国人の受け入れ環境整備が可能な限り早急に進むよう尽力してまいりたいと考えております。

JR常磐線の全線復旧開通について



赤羽分科員 ありがとうございます。
 関空の入国審査については、今局長の御答弁にもありましたが、法務省もさまざまな対策を講じられようとしているということは新聞報道で知るところでございますので、ぜひ、法務省とも連携をとりながら、よろしくお願いをしたいということでございます。
 また、関西三空港問題は、もちろん地元の意向が多分最優先に尊重されてきたというプロセスから、もう一度その立場からこの問題を新たに提起していきたいと思っておりますので、ぜひ今後とも御指導いただけるようによろしくお願い申し上げます。
 次に、福島の原発被災地の復興について、JR常磐線の全線復旧開通問題について質問をさせていただきたいと思います。
 道路局長も来ていただいておりますが、まず、ここの地域の高速常磐道、これは予定より相当早く全線開通を実現していただきました。このことは、私も足しげく被災地に通っておりましたが、被災者の皆さん、被災自治体の皆さんには大変喜ばれておりまして、先の見えない、夢も希望もなかなか感じることのできない福島の復興の中では、みんなに喜んでいただいた大変大きなことであります。
 他方、なかなかJR常磐線の全線開通は前に進んでこなかったというのが現実でございます。いろいろな問題がございましたが、安倍総理からもJR常磐線は全線開通するという表明があったものの、浪江駅—富岡駅、福島第一原発の西側を通るところなんですが、現状ではその区間の全線開通の具体的な時期が発表されていないということは大変残念なことであります。やはり地元の、地域の鉄道が走ってくるということが復旧復興が進んでいるという実感にすごく通じるものでありまして、このことを何とか前に進めていただきたいというのを私も前職時代からお願いをしてきたところでございます。
 現在、この区間で効果的な除染をどう進めるかということで試験施工をやっていただいて、昨年十二月に終了したというふうに承知をしております。この除染の試験施工の後の空間線量、この前御報告をいただきましたが、ほぼ全ての区間において、避難指示解除準備区域の目安となります一時間当たり三・八マイクロシーベルトを下回る結果だと。これは、私も実はずっとJR常磐線のところには何回も足を運んでおりまして、私たちも線量計を持っておりますが、大変下がっているということを私自身が認識をして、ぜひ公的にというか、JRとしてもしっかり進めていただきたいということで、その結果が出たということでございます。これはJRのこの工事に従事する全ての人にとっても大変な安心がもたらされる、こういうふうに思っております。
 もう一つ、JR東日本は、要するに、鉄道が回復しても、その地域が戻ってこないと、人が集まらないと困るんじゃないかということも当然心配をされていたわけでございますが、これも今、我が党の高木陽介原子力災害現地対策本部長も必死になって仕事をしておりまして、本年四月以降に、南相馬市、また葛尾村、川俣町といったところが続々と避難指示解除の方向に展開をしている、今、準備宿泊が行われているところでございます。
 そして、同時に、この地域、福島の浜通り地域と言うのですが、そこを何とか地域再生しよう、新しい産業を創出しようということで、福島イノベーション・コースト構想というものが政府の政策として今年度も大変大きな予算がついているわけであります。
 この福島イノベーション・コースト構想というのは、実は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会までに地域再生、生まれ変わって、そして、日本に来られた世界じゅうの方々に刮目されるような地域をつくり出そうということで、大変大きな励みとなって頑張っているところでございます。
 そういう意味で、このJR常磐線、生活の足でもありますし、多くの外国人の方が来られて福島の復興を見るといったときにJR常磐線が全線開通していないということは、これは一JR東日本だけの問題ではなくて、政府全体の大変大きな問題だ、私はかねてからそう思っておりました。
 ぜひ、被災地の、また被災者の皆さんの一番の強い要望でありますこのJR常磐線の全線開通、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会までに何としても実現をしていただきたい、そうした被災地の、また被災者の声をぜひ大臣には真摯に受けとめていただいて、このことを前に進めるように最大の努力をしていただきたいと思いますが、御答弁いただきたいと思います。

石井国務大臣 福島県浜通りの復興の加速化を図る上で、JR常磐線の復旧は大変重要であると認識をしております。
 このため、JR常磐線につきましては、将来的に全線で運行を再開させるとの方針を政府として昨年三月十日に決定いたしました。
 このうち、開通時期の見通しが示されている区間については、先般、JR東日本より、富岡駅—竜田駅間の開通時期を約三カ月前倒ししまして、二〇一七年内の開通を目指すとの方針が示されるなど、復旧に向けた取り組みが順調に進んでおります。
 また、開通時期が明らかにされていない浪江駅—富岡駅間については、昨年八月から年末にかけて、JR東日本が試験的な除染を行ってまいりました。私も、大臣就任後、この試験的な除染の現場を視察させていただいたところでございます。
 この結果を踏まえまして、発生材の仮置き場の確保を初めとする除染、復旧工事の実施に当たっての課題について、関係省庁の副大臣から成る協議会を開催するなど、検討、調整を行っているところでございます。
 引き続き、関係省庁とも緊密に連携し、被災地の皆様の声に応えるべく、JR常磐線の一日も早い全線開通の実現に向けて取り組んでまいりたいと存じます。

自家用ライドシェア拡大議論について



赤羽分科員 ぜひ情熱を持って前に進めていただきたい、こう重ねてお願いしたいと思います。
 このJR常磐線のところというのは、実は、なかなか、これまでは福島第一原発の周辺というのは復興のスピードが遅かったわけでありますが、ようやく、福島第一原発の中の廃炉・汚染水問題も大変落ちつきを取り戻しております。同時に、東京電力も新しい体制の中、また国が前面に出る体制の中で順調にしている。
 実は、毎日七千名の人があの現場に入って、この廃炉・汚染水対策について取り組んでいる。実は、そこの現場に行くのに、国道六号線、これは相当早期に全線開通をしていただきましたが、大変な渋滞になっております。
 この車の大渋滞を何とか解消すれば、現場で大変な御苦労をされている皆さんに対しても大変大きな福音ではないか、こう思っておりまして、あれだけの車通勤、車で通う人を少しでもJR常磐線に流していただきたい。そうしたことをもって、全体にとっても大変大きなプラスになるということを私確信しておりますので、ぜひお願いをしたい。重ねてお願いをするところでございます。
 最後に、国家戦略特区諮問会議で議論されております自家用ライドシェアの拡大について質問させていただきたいと思います。
 これは、他の議員もきょう何度か取り上げられたと承知をしておりますが、改めて申し上げるまでもなく、昨年十月二十日の第十六回諮問会議の席上で、安倍総理から、日本を訪れる外国の方々の滞在経験をより便利で快適なものとしていかなければなりません、過疎地等での観光客の交通手段として自家用自動車の活用を拡大するという指示が出たわけでございます。この総理の指示に基づいて、国家戦略特区法の一部改正法案が準備されていると承知をしております。
 これは恐らく、誰が振りつけたのかちょっとよくわからないんですけれども、過疎地域での交通手段というのは、それは生活手段としてどう交通手段を確保するかという問題とインバウンドのためのというのは、少し整理をしなければいけないのではないか。
 もともと、この総理の指示についてはややクエスチョンなところがあるんですけれども、その中でも、多分、国土交通省と官邸の中で大変な御苦労があることは承知をしておるところでございますが、大臣の御答弁にもありました、この国家戦略特区法の一部改正法案、この中の道路運送法に関する部分につきましては、大臣も、公共交通機関の維持が困難な過疎地等においては、安全の確保等を十分に図りつつ、自家用有償運送制度のさらなる活用方策を検討する、こうした答弁があって、きょうもそうした御答弁もあって、質問された方も一つ安心をされていたかと思います。
 また、この特区に関する提案、特区だけでということで提案があるわけでありますが、これはもう改めて言うまでもなく、特区であろうと過疎地であろうと、安全の確保というのは当然の大前提であるということをまずお互いに確認させていただきたいと思います。
 ですから、道路運送法の許可をとることなく旅客運送事業を行ういわゆる白タク的な行為というのは、安全上問題がある違法行為であるということであって、断じて排除されるべきだということを訴えたい、私はこう思っております。今回の法改正の中で、白タク的行為は認めないと御答弁もありましたが、改めてここで、白タク行為は排除するということを明確にしていただきたいというのが一つ。
 もう一つは、計画策定に当たって、何となく事業者が輪に入れないような経緯が、どんどん官邸の中の諮問会議でいろいろな話が出ている、それに対して関係業界の方が大変な心配をしているということは、やはりどこかおかしいのであって、計画策定に当たっては、当該市町村、事業実施予定者、そして運送事業者、バス事業者とかタクシー事業者が事前協議ができる場をつくるべきだ、私はそう思っております。
 そうした形が組み込まれた法改正案になっているのかどうか、ぜひ自動車局長から御答弁いただきたいと思います。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。
 自家用自動車の活用拡大につきましては、鉄道、バス、タクシー等の公共交通機関による旅客運送が困難な地域における交通手段の確保、そういった観点から検討を行っているところでございます。
 具体的には、過疎地等において、安全の確保、利用者の保護等を十分に図りつつ、訪日外国人を含む観光客の移動手段を確保するために、現在は地域住民を主な対象としている自家用有償旅客運送制度のさらなる活用方策を検討しているところでございます。
 委員の御指摘のとおり、安全に関しましては、地域を分けて、ここではこの程度である、あそこではあの程度である、そういったものではないというふうに考えております。
 現在の自家用有償運送制度は、過疎化、人口減少に伴いまして、緑ナンバー、営業輸送というものがビジネスとして成り立たない、そういったエリア、あるいはそれが非常に不十分なエリアにおいて、それを補完するための、ある意味でやむを得ない措置としての白ナンバーの活用というものを認めているものでありまして、今回の国家戦略特区の中における観光客の輸送の手段の確保につきましても、これと同様の考え方において制度設計をしたいと考えているところでございます。
 その上で、委員から、既存の交通関係事業者、そういった方々との連携が非常に重要ではないかという御指摘があったところでございます。
 持続可能な地域公共交通ネットワークの形成のためには、地域公共交通の活性化、再生に主体的に取り組む市町村が中心となって、鉄道、バス、タクシーなどさまざまな交通モードが密接な連携を図ることが非常に重要であると考えております。
 公共交通機関による旅客運送が困難な地域において観光客の交通手段として自家用車の活用拡大を図るに際しても、今申し上げた考え方に基づいて、こういった関係者がしっかり協議ができる枠組みを前提として制度設計を考えていきたいと考えているところでございます。

赤羽分科員 ありがとうございます。
 役所から示された資料の中で、自家用有償運送制度に基づいて、もう既に全国の過疎地域でさまざまな乗り合い事業が展開されていると。これは私は余りよく知らなかったんですけれども、大変な御努力で、地元の自治体と関係事業者が知恵を出し合ってやっていらっしゃるということで、大変敬意を表する話でございます。
 ですから、こうしたうまくいっている事例がありながら、それとは全く違うようなことをシェアリングエコノミーみたいな話で出してくるというのはちょっと筋が悪過ぎるんではないか、私はこう重ねて申し上げたいと思います。
 私たちはこれをただ根拠なく心配しているんじゃなくて、先ほどの諮問会議の報告書、本年二月五日付の「集中取組期間の最終局面に当たって」という報告書の中の、第三の「その他、今国会で実現すべき規制改革課題など」という項目の中に「「自家用ライドシェアの拡大」に関する議論に関連して、安全確保のために従来より行われてきた諸規制が必ずしも有効に機能していない中で、むしろ、保険を介した監視機能を高めることが期待されるところである。」こういった文言がございます。これはもうオープンになっているあれですから。
 これはすごく危ない話で、現在の安全確保のための諸規制が必ずしも有効に機能していないということは、やはり実際、論拠を挙げてもらわないと言いがかりみたいな話ですし、保険で対応するということは実はすごく危なくて、私は、みんな業界の人が心配しているのは、こうしたことの中で、何かアリの一穴になるんじゃないか、特例といって特区で認められたことが、安全を軽視してしまうような社会が普遍化してしまうのではないか、こういうふうなことを心配されているんだと思います。
 これは絶対あってはいけないことなので、どうも国交省の議論と官邸の議論がダブルスタンダードで、何となく最近、ざっくばらんな言い方をすると官邸が強くて、そこで出てきたような法案というのは、私たち与党は、それは承服は全くできない、また承服できないようなものを提案されては困るという立場で、しっかり安全を守っていきたいと思いますので、石井さん、お疲れだと思いますけれども、ぜひ一言、この点、御決意だけ聞かせていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。